今日の記事は、以前に紹介しましたが、
ちょっとした雑学です。
1988年にノーベル経済学賞を受賞したモーリス・アレさんが行った実験によると人は、「0から1%の変化には過剰に反応するが、30%から31%への変化には反応しない」という学説があります。
つまり、人は滅多に起こらないことに異様に心配とか期待はするけれど、よく起こることに対しては、反応が鈍いということを指しています。
例えば、通り魔事件をニュースなどで見ると、そういう事件に巻き込まれるという可能性はゼロではないが、かなり低い確率にもかかわらず、自分に起こると思ってしまう。
あと、宝くじが当たるような気がするのもそうです。
交通事故によって死亡する確率の方が高いのに、低い確率の飛行機事故を怖がってしまう。
そうそう・・・
人間はいい加減なのです。
感覚と感情で適当に意思決定をしている。
それに関連して、こんな話があります。
2017年ノーベル賞経済学賞を受賞した、シカゴ大学経営大学院のリチャード・セイラー教授は行動経済学の権威です。
彼の研究成果の一つに「メンタルアカウンティング」というのがあります。
日本語にすると、「心の家計簿」だそうです。
例えば、
一着2万円のスーツを購入する際に「30円の価格差」は大した金額に感じないのに、
1本100円のボールペンを買うときの「30円の差」は大きな金額に感じてしまう。
「一生懸命働いて稼いだお金は大切に使うのに、あぶく銭は無駄遣いしてしまう」
「旅先ではつい財布の紐が緩んでしまう」
人間って、、
いい加減なんですよね。
そして、彼は行動経済学の大きな成果の一つとして
「老後への備え」を指摘しています。
誰もが定年退職後に備えて「貯蓄の必要性」を
感じているにもかかわらず、貯蓄できないということ。
そう。。人間はいい加減なんです。